06-6772-1002大阪市天王寺区上汐3丁目6-14 TEL06-6772-1002

猫の病気

循環器の病気

猫の病気 循環器の病気

心筋症

心筋症は猫の心疾患として極めて重要です。とくに原因不明で急激に悪化傾向を示すため、できるだけ早期に治療する必要があります。体が必要とする血液が心臓から出なくなって全身の働きが低下し、多くの臨床症状が出てきます。最も重要な症状は、呼吸がうまくできない(呼吸困難)ことや、一日中ぐったりしている(運動機能の低下)ことです。また、後肢の麻痺がおこる場合もあります。
こういった症状はある程度以上に症状が進行した状態で発現します。早期発見をするためには定期的なエコー検査やレントゲン検査が大事です。

呼吸器の病気

猫の病気 呼吸器の病気

上部気道炎

上部気道炎とは鼻から咽頭までの鼻腔の炎症の総称です。原因は猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスなどの感染性のものや、外傷やアレルギー疾患、鼻腔内腫瘍など感染以外のものもあります。原因により発症の年齢、季節、発熱の有無、症状などが異なるため、診断や治療に苦慮することの多い病気です。
発熱、食欲不振、くしゃみ、鼻水、目ヤニ、口内炎、舌の潰瘍など様々な症状が出ています。また二次的な疾病の引き金になることも多く、細菌の二次感染によって鼻水や涙が粘液膿性になり、鼻孔を塞いだり、目ヤニで瞼が開かなくなります。次第に口を開けて呼吸するようになると嗅覚がなくなり、水も食事も全くとれず、脱水衰弱し、肺炎を併発すると死に至る場合もあります。ただの風邪だと思わずに、早めに治療をすることで、症状の重傷化を防ぐことに繋がります。

消化器の病気

猫の病気 消化器の病気

上口内炎

口内炎では、口腔粘膜、舌、歯肉といった口内全体に炎症が及んでいることが多く、慢性口内炎では潰瘍化していることもあります。原因は様々あり、口内外傷、薬物刺激、細菌・真菌感染、腫瘍、ウイルス感染などです。口内炎の痛みのため食欲不振となり、さら噛む、飲み込むといったことも妨げられて痩せてきます。口の周りはよだれや埃で汚れ、唾液や息は悪臭を伴うようになります。また、炎症部からの出血、炎症部位が潰瘍化してきます。口内炎の治療の基本は口腔内を清潔に保つことですが、動物の場合はこれが困難なため、自然治癒はあまり期待できません。そのため治療には、歯石の除去、抗生物質や抗炎症剤投与が一般的です。口内炎は再発しやすいので、炎症が軽減したからといって治療を中止せず、確実に治癒するまで継続することが大事です。

膵炎

膵炎は経過によって急性膵炎と慢性膵炎に分けられ、猫ちゃんでは慢性膵炎の発生が多くみられ、特に老齢の猫ちゃんでは珍しくない疾患です。急性膵炎は発症に年齢、品種、性差はみられず、肥満猫ちゃんより痩せた猫ちゃんの方に多く発症がみられます。症状は様々で、食欲低下、体重減少、脱水、発熱、嘔吐、黄疸、腹痛などがあります。中には昏睡状態、重度の脱水、体温低下など重篤な症状もみられます。慢性膵炎は雌の猫ちゃんより、雄の猫ちゃんに多く見られます。一般的に無症状のまま経過することも多いが、食欲低下、体重減少、抑うつ、悪臭の強い下痢などの発症頻度が高いです。糖尿病を続発することもあり、その場合は顕著な他院・多尿がみられます。

泌尿器の病気

猫の病気 泌尿器の病気

腎不全(尿毒症)

腎臓の働きは様々あり、体内の老廃物を体外に除去する働きもその1つです。腎不全が進行すると老廃物が体内に蓄積し、尿毒症となります。腎不全はその経過により、急性腎不全と慢性腎不全に分類されます。急性腎不全は発症後1週間以内に、腎障害を受けて急速に状態が進行します。初期は多尿がみられることもありますが、後に尿が少なくなり、時に無尿となることもあります。全身症状では食欲不振、吐き気、嘔吐、神経症状などが出てきます。急速に状態が進行するため、死亡する危険性が高く、迅速な対応が必要です。慢性腎不全は数カ月から数年に及んで、徐々に腎機能が低下していきます。腎臓の機能障害の程度によって4段階に分類されることが多く、第1期は腎機能が50%以上残っており症状は出ません。第2期は多飲多尿、軽度貧血などの症状、第3期は食欲低下、嘔吐、体重低下、貧血などの症状、第4期(尿毒症)では嘔吐や下痢などの消化器症状、痙攣などの神経症状、多臓器不全などがみられます。腎不全は徐々に進行し、また障害を受けた腎機能は治らないため、早期発見をして、早いうちから食事療法などの治療を開始することが重要です。

膀胱炎・尿路感染症

尿路感染症は通常、下部の尿路から上部へと細菌や真菌などが侵入して発症します。猫ちゃんの場合、色々な原因から尿結石ができて、それが膀胱や尿路を傷つけて細菌が繁殖しやすい状態になり、炎症が広がることが多いです。頻尿や、いつもの場所以外での排尿、排尿時に大声で鳴く、おなかを触ると痛がる、血尿などの症状がみられます。早期発見の場合は比較的治癒は早いですが、経過の長いものだと長期の治療が必要な場合が多いです。時には尿道の閉塞に気付かずに尿毒症や膀胱破裂に陥ることもあるので、排尿などの日常行動にはいつも注意することが大切です。

尿石症(猫泌尿器症候群)

腎臓から尿管、膀胱、尿道にかけて尿石が形成された状態です。ストルバイトを主成分とする尿石が最も多くみられます。若い猫ちゃんに良くみられる疾患で、血尿や排尿障害などの臨床症状が特徴です。一般的に抗生物質などで改善しますが、処置が遅れたり、間違っていたりすると慢性の膀胱炎を繰り返したり、重篤な場合には外科的な処置を行わないと死に至ることもあります。尿石の猫ちゃんは、尿検査によって尿中に結石になる前の結晶を見ることが出来るので、尿検査は診断や治療効果の判定に有用な方法となります。

生殖器の病気

猫の病気 生殖器の病気

子宮内膜炎・子宮蓄膿症

子宮内膜炎は子宮の内膜が化膿性炎症を起こすものです。また、子宮内宮に膿汁が貯留した化膿性疾患が子宮蓄膿症で、膿汁が排泄されずに貯留するタイプと、陰部から黄~赤褐色の膿汁が排泄されるタイプがあります。猫ちゃんでは8歳を過ぎた頃から発症頻度が高くなると言われていますが、若い猫ちゃんでも発生はみられます。最近10週以内に発情があった猫ちゃん、産歴のない猫ちゃんに発生しやすいと言われています。避妊手術をすることで予防効果が期待できます。

内分泌・代謝性の病気

猫の病気 内分泌・代謝性の病気

甲状腺機能亢進症

中高齢(6~20歳)の猫ちゃんにみられます。甲状腺ホルモンは元々身体の新陳代謝をコントロールする働きがありますが、この甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、全身の酸素要求量が増大し、赤血球増多症や心拡大などが起こります。必要カロリー量も増大するため、食欲が増します。たくさん食べる割に痩せてくる、呼吸が早い、飲水量が多い、落ち着きがない、性格が活発あるいは攻撃的になる、老齢だが発情しているよう、などの異常がみられます。血液中の甲状腺ホルモン濃度を調べることで診断ができます。治療としては、外科的に腫大している甲状腺を摘出するか、甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬剤の投与などが行われます。

糖尿病

インスリンは生体で血糖値を下げる作用を持つ唯一のホルモンですが、糖尿病はこのインスリンの分泌あるいは作用が低下する疾患です。肥満した猫ちゃん、去勢した雄の猫ちゃんに発症が多いと報告されています。好発年齢は7=10歳です。元気消失、多飲・多尿、体重減少、嘔吐、脱水などの症状がみられます。病気の進行により、昏睡に陥り、重篤なものは死に至ります。また、全身の腫瘍臓器において様々な合併症を引き起こすことが多く、膀胱炎、腎不全、肝リピドーシス、肝硬変、急性膵炎など、いずれも致死率の高いものです。高血糖を示す疾患は糖尿病以外にもいくつかあり、鑑別には詳細な血液検査が必要となります。治療には食事療法やインスリン投与による薬物療法が中心となります。

皮膚の病気

猫の病気 皮膚の病気

子宮内膜炎・子宮蓄膿症

乳腺腫瘍は多く見られる腫瘍で、70~90%が悪性となります。そのため腫瘍を摘出しても予後が良くないケースが多いです。一般に避妊手術をしていない雌の猫ちゃんによく発生しますが、避妊済みの雌の猫ちゃん、まれに雄の猫ちゃんにもみられます。乳腺部の腫れやしこりが主な症状です。また腫瘍細胞がリンパ管を閉塞させたり、血行を悪くするため腫瘤部の変色、浮腫、後肢の血行障害を引き起こします。高確率で肺転移を発生します。手術法として乳腺の片側全摘出、両側全摘出、部分摘出があります。ただし、摘出手術を受けても再発率が少なくない腫瘍です。化学療法は短期的、もしくは一部の猫ちゃんに効果がありますが、副作用のため延命効果が期待できない場合もあります。そのため乳腺腫瘍が小さいうちに発見をし、早めに摘出することで延命効果が期待できます。

感染症

猫の病気 感染症の病気

猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症

猫固有のウイルスで、屋外での喧嘩による噛み傷などから感染することが多いです。ウイルスは比較的弱いもので、アルコール、洗剤などで容易に死滅します。交尾や接触だけで感染することは非常にまれです。ただし、ひとたび感染すると体内から消えることはなく、終生抗体が陽性となります。感染初期の軽い症状として発熱、下痢、リンパ節の腫れなどがみられ、その後は無症状の時期が数年にわたって続きます。無症状のまま寿命を迎える猫ちゃんもいます。しかし多くは、その後全身のリンパ節が腫れだし、数々の慢性の病気(口内炎、鼻炎、皮膚炎、腸炎など)がみられるようになります。通常は5歳以降にみられる末期のエイズ期では、痩せ方が激しくなり、貧血が進み、免疫不全の現れである悪性腫瘍や日和見感染がみられます。エイズ発症から数か月以内に死亡します。FIV感染に対するワクチンはないため、猫ちゃんを屋外に出さないこと、屋外の猫ちゃんを家庭に入れる場合は、必ず抗体検査を行うことが、最も良い感染予防です。

猫白血病ウイルス(FeLV)感染症

このウイルスは水平感染(猫から猫への感染)ならびに垂直感染(母親から胎児への感染)のいずれでも感染が成立します。感染猫ちゃんの唾液中に多量のウイルスが存在しており、咬傷、グルーミング、食器の共有などで感染します。また感染母猫から生まれた子猫は、本ウイルスに感染している確率は極めて高いです。発現する症状は発症した疾病の種類、病期により様々で、食欲不振、食欲廃絶、元気消失、体重減少などが共通してみられます。また、白血病やリンパ腫など血液リンパ系細胞の腫瘍性の増殖を引き起こしたり、免疫力が低下し肺炎、敗血症、歯肉炎や口内炎、細菌・真菌感染などの誘因となります。決定的な治療法はなく、症状に応じて対症療法を行っていきます。ワクチン接種による予防が基本となります。

猫ウイルス性鼻器管炎(FVR)

人が風邪をひくように猫ちゃんも風邪をひきます。猫ウイルス性鼻気管炎は猫ヘルペスウイルスの感染が原因で起こります。全身状態の悪化に加えて、くしゃみ、多量のよだれ、涙、鼻水が顕著に現れます。本ウイルスは回復後も中枢神経系内にウイルスが潜伏し、持続感染することが多いことが特徴です。健康時は免疫系の働きでウイルスは細胞内に閉じ込められていますが、闘争・妊娠・出産などストレスが加わると免疫力が低下し、唾液などに排泄されて再発をするだけでなく、他の猫ちゃんの感染源となりえます。大人の猫ちゃんでは発熱、くしゃみ、多量のよだれ、鼻汁による鼻道閉塞、結膜炎などの症状が発現します。幼い猫ちゃんでは脱水や栄養不足で死亡する危険性が高いです。妊娠猫ちゃんでは死産・流産の原因となります。治療は対症療法と支持療法(栄養補給)を行います。最も大切なことは、ワクチンによる予防接種で、症状発現を最小限にすることができます。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

比較的緩慢に進行する全身病で、いったん発病した猫ちゃんの死亡率は極めて高いです。6ヶ月から3歳の猫ちゃんに多くみられます。感染は発病猫ちゃんから排泄された唾液、鼻汁、糞便、尿によって直接的に、または汚染された食器などにより間接的に経鼻感染もしくは経口感染します。感染猫ちゃんのうち、発病するものは数%以下ですが、発病した猫ちゃんのほとんどが死亡します。感染収集艦から数か月後に元気消失、食欲不振、発熱、腹囲膨大などの他、呼吸困難、貧血、脱水、黄疸や下痢などの症状が発現します。その後、全身性に病変が形成され、侵される臓器によって臨床症状が異なります。診断医は抗体検査、その他検査の所見を総合して行います。

  • 上本町どうぶつ病院 総合案内サイト
  • スタッフ採用情報 特設サイト
  • 犬・猫の病気 特設サイト

▲ページトップ